F5 の祈りは届かない
公開日: 2026/3/14
著者: すぱろー
ある日、友人のCがボイチャで呟いた。
「注文したいんだけどページが開かないんだよね」
送られてきたURLは、ECサイト Yousei印刷
商品は【ミニアクリルブロック】
自分で描いたイラストを入稿すると、透明なアクリルブロックの中に印刷してくれるという、いわば「作品を物理化する装置」である。
Cはすでにそのためのイラストデータを完成させていた。何日も何日も前から準備していた。
つまり状況はこうだった。
イラスト制作 → 完成
入稿データ → 完成
注文 → ここで止まる
なぜなら、ページにはこう表示されていたからだ。
「データベース接続エラー」

エンジニアの脳内ログ
スクリーンショットを見た瞬間、僕は静かに状況を理解した。
DevToolsを見た。
500 Internal Server Error
X-Powered-By: PHP/5.4.16
僕の脳内ではこうなる。
PHP 5.4
↓
2014年
↓
かなり古い
↓
EC-CUBE2系の可能性
↓
DB接続エラー
↓
サーバー側の問題
つまり結論。
これはユーザーが努力して解決するタイプの問題ではない。
しかしCは戦っていた
Cは言った。
「さっきから更新してるんだけどさ」
そしてブラウザの更新ボタンを押す。
F5.
F5.
F5.
Ctrl + F5
その姿はまるで
ネットの神に祈る儀式のようだった。
Cが作っていたもの
ここで少しだけCの話をしよう。
Cはこのミニアクリルブロックのために
すべて準備していた。
つまり
作品完成
↓
注文するだけ
↓
ECサイト死亡
悲しい。
その頃サーバーでは
実際に起きていた可能性が高い状況はこうだ。
アクセス集中
↓
データベース接続上限
↓
ECサイトがDB接続できない
↓
データベース接続エラー
ECサイトは裏でデータベースに接続して
などを処理している。
そのためデータベースに繋がらないとサイトはほぼ何もできない。
CがどれだけF5を押しても
ブラウザ
↓
サーバー
↓
死んだデータベース
という構図は変わらない。
F5はデータベースを蘇生する魔法ではない。
なぜ売り切れたのか
ではなぜその後、商品は売り切れたのか。
おそらくこうだ。
アクセス集中
↓
DBエラー
↓
サイト一時停止
↓
DB復旧
↓
注文再開
↓
最初に注文した人が購入
つまり、復旧した瞬間に一番早く注文できたユーザーが勝者になる。
ECサイトではよくあるいわゆる復旧ガチャである。
Cはそれでも戦った
その間もCは戦い続けていた。
F5.
F5.
F5.
画面
データベース接続エラー F5.
F5.
F5.
僕は心の中で思う。
(それは…直らないんだ…)
しかし言えない。
なぜなら人は
希望をもって更新する生き物
だからだ。
そして事件は起きた
しばらくしてCから絶望がこぼれた。
「売り切れてた」
ミニアクリルブロックは完成していた。
Cの手元には今
が残っていた。
しかしそれはまだアクリルの中に封印されていない。
Cへの賛辞
私はCを笑わない。
Cは
その姿はまるで難関なダンジョンに挑む勇者
のようだった。
追記:次回Cが勝つための作戦
今回の事件から、
一般ユーザでもできる対策を考えてみる。
もし人気商品で同じような状況になったら
次の方法を試すと成功確率が少し上がるかもしれない。
① 複数ブラウザでログイン
Chrome
Edge
Firefox
スマホ
など複数のブラウザで同時にログインしておく。
② 商品ページを開いて待機
トップページではなく
商品ページを直接開いて待機しておく。
③ 自動リロードを使う
ブラウザ拡張機能を使うと
1秒ごと
5秒ごと
10秒ごと
など自動でページを更新できる。
これにより
復旧した瞬間
↓
どれかのブラウザが表示成功
する可能性がある。
④ 復旧した画面からすぐ注文
もし一つのブラウザだけ正常に表示されたら
迷わずそのブラウザから注文する。
最後に
今回、Cのミニアクリルブロックは
残念ながら生まれることはなかった。
しかし私は思う。
何度エラーが出ても
諦めず更新を押し続けたCは
間違いなく
勇者だった。
そしてもし次回、
Yousei印刷のサーバーが再び試練を与えてきたとしても。
きっとCはまた戦う。
F5と共に。